スマホの次のAI端末は、身につけるウェアラブルになる可能性が高くなってきている。
ただし、スマホを置き換えるものでもなく、スマホを補完し、画面を見る回数を減らす役割として広がっていくと考えられる。
なぜ今、身につけるAIなのか
スマホには弱点があって、必要な情報を得るたびに、端末を取り出し、画面を開かなければならない。
- 会議中にメモを確認したい
- 買い物中にリストを見たい
- 移動中に予定を確認したい
このような場面では、数秒の操作でも流れが止まるうえ、そもそもバカデカくなってきたスマホにはすでに機動力はない。
そこで期待されているのが、体に近い場所でAIが動くウェアラブル端末で、音声で応答し、状況を理解し、必要な情報だけを返す。
画面を見る時間そのものを減らす発想へ変わり始めている。
Metaが狙うのは「仕事で使うAI」
うわ話によれば、MetaはAIペンダントの試験導入に加え、「Wearables for Work」という仕事向けサービスを検討しているのだそうで、さらにはスマートグラスの拡充も計画され、ウェアラブルを事業の柱に育てる構想が示されている。
ここで重要なのは、個人向けだけではない点で、仕事で使う理由があれば、企業は導入効果を判断しやすい。
- 会議内容の要約
- 音声メモの自動整理
- スケジュール管理
- 作業手順の案内
こうした用途は、生産性向上という明確な目的につながることから、便利だから買うのではなく、仕事を効率化するから導入する。
この違いは普及を左右する。
スマホとの違いは「手を使わない」こと
スマホは良くも悪くも画面を見る道具だが、ウェアラブルAIは、必要な瞬間だけ支援する道具になろうとしている。
スマホ
- 自分から操作する
- 画面を見る
- アプリを開く
ウェアラブルAI
- 音声中心で使える
- ハンズフリーで操作できる
- 状況に応じて先回りして支援する
つまり競争軸は、処理性能だけではなく、生活や仕事の流れを止めない体験そのものが価値になっている。
とはいえ、その一方で課題も残っており、現状の価格はまだ高いうえ、利用できる場面も限定的となっている。
さらに、常時装着への抵抗感や、プライバシーへの不安も無視できないところ。
過去にも似たようなAI専用端末は登場したが、使い道の少なさから普及しなかった例もあることから、ウェアラブルAIであっても、短期間でスマホを置き換えることはないだろうし、失敗に終わる可能性だってある。
まずは仕事や特定用途から広がり、その後に一般利用へ浸透する流れが自然だ。
端末競争は「自然さ」が勝負に
これまでの端末競争は、性能や画面サイズが比較されてきていたが、ウェアラブルAIでは評価基準はガラッと変わる。
装着していて負担がないか?日常生活に自然に溶け込むか?必要な時だけAIが支援するか?
AIが目立つほど良い時代ではなくなり、存在を意識しないほど自然に使えることが、新しい競争力になっていくことは間違いない。
もはやAIは画面の中だけで使う存在ではなくなり始めているし、スマホの次に広がるのは、体に近い場所で動くAIになるのは自然の流れのように思う。
ただし、当面は主役交代ではなく、スマホを補完し、手を止めずに情報へアクセスできる体験が価値になっていく。
ウェアラブルAIの勝敗は、性能よりも「どれだけ生活に自然に溶け込めるか」で決まる可能性が高く、その新しい形を提供するのが、どの企業となるのかも注目してみたい。
いずれ、攻殻機動隊のような世界になることも近いかもしれない。
思考を外に出せ。AIを、自分の武器にする。
